とある女の偏愛日記

管理人の偏愛ものについて語る、感想文的日記。 読んだ小説と漫画の感想が中心。その他にも映画やTVなどの紹介予定もあり。
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「九月の四分の一」
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大崎善生/新潮社

オススメ度:☆☆☆☆☆
懐古度:☆☆☆☆★


「報われざるエリシオのために」
「ケンジントンに捧げる花束」
「悲しくて翼もなくて」

そして、表題作の「九月の四分の一」の4編が入っている短編集です。


表題作もタイトルと話が心憎くて好きですが、4編の中で一番好きだったのが「ケンジントンに捧げる花束」

主人公が淡々とこなしているだけのように感じていたことが、実はある老人にとっては救いになっていたという話。せつないけれど、どこか優しくて好きです。

他の収録作品も、この作者さんの持ち味の「懐かしさ」や「喪失」が美しく書き出されていて、秋の夜長にコーヒーをお供に読むのにぴったりの短編集だと思います。

ちなみに、この方のほかの作品でオススメなのが「パイロットフィッシュ」
過去と現在を行き来しながら、主人公の心情を書き出しているところなど、この作者さんの持ち味が存分に発揮されている作品です。

そう言えば、かなりの確率で、この作者さんの主人公の共通点に「30代後半~40代の男」がありますね。おまけに編集業に就いていることが多いです。

そして、作者の経歴欄を見ていると、作者と主人公が被っている部分が多々あるような・・・。経歴欄を読んでから作品に触れると、どこまでが虚構で、どこからが真実なのかよくわからなくなります。しかし、それも一つの魅力になってしまうのだから不思議です。





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「フライ、ダディ、フライ」
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金城一紀/講談社

オススメ度:☆☆☆☆★
痛快度:☆☆☆☆★
青春度:☆☆☆★★

<あらすじ>
鈴木一は47歳のサラリーマン。家族仲も悪くはなく、会社でもそこそこの地位を得ていて、平凡だが幸せな生活を送っていた。しかし、娘のが暴行されて、彼の生活は一転する。娘は心を閉ざすし、妻の夕子との会話も少なくなった。そのような状態に陥れた犯人は、ボクシングの高校生チャンピオンの石原。怒りに任せて、鈴木は包丁を手に取り、石原が在籍する高校へ向かう。しかし、間違って違う高校に来てしまう!!そこで鈴木が出会ったのは、ケンカ名人の朴舜臣(パク・スンシン)をはじめする、一癖ある高校生達。鈴木は成り行きで復讐方法を変え、彼等のプロデュースでトレーニングをはじめる。ボクシングという正攻法で石原を倒すために・・・。



<感想>
前回予告していた、「一気に読んだ本」の紹介です。

妹が学校の図書館で借りてきたのを、又借りして読みました。

この方の作品は「フライ、ダディ、フライ」「GO」が映画化されていることもあり、以前から気になっていました。しかし、今まで読む機会がなく、この作品が金城一紀作品の初トライだったりします。

読み終わって、開口一番に

「面白いやん!!」

と、叫んでいました。


舜臣らとの付き合いやトレーニングを通して、鈴木の心情に変化が見られるところが良いです。クライマックス前後は特に良いですよ。オヤジが壁を乗り越えようと立ち向かう様が、本当にカッコイイ!

また、その中で舜臣らを取り巻く厳しい環境にも触れられています。しかし、そのことで話の雰囲気が重くなるということはなく、終始軽妙なタッチでテンポよく書かれています。しかも、その書き方に嫌味がないところが凄い。なかなか出来る芸当じゃないぞ、これは。

読後感も清々しく、最近重い話の本ばかり読んでいた私の心が、おかげですっかり癒されました。

痛快な話が読みたい時に、オススメの一冊です。


<オマケ>
今回、記事を書いているうちに派生した「感想の余談」というものをつけてみました。しかし、あまりにも生意気な内容なので、不快感を抱く方もいらっしゃると思います。それを承知した方のみ「続きを読む」から、「感想の余談」に入ってください。

[「フライ、ダディ、フライ」]の続きを読む
「奔馬」
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三島由紀夫/新潮文庫

オススメ度:☆☆★★★
暴走度:☆☆☆☆★
純粋度:☆☆☆☆★

<あらすじ>
時は昭和7年。「春の雪」の主人公・松枝清顕の親友だった、本多繁邦は38歳になっていた。控訴院判事として忙しい日々を送る本多は、ある時清顕の生まれ変わりである飯沼勲に出会う。勲は腐敗した政治・疲弊した社会に憤りを感じ、それを変えようと、同志を集め決起を計画するが・・・。「春の雪」の続編で、連作「豊饒の海」の第2巻。

[「奔馬」]の続きを読む
「ツインズ~続・世界の終わりという名の雑貨店~」
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嶽本野ばら/小学館

純愛度:☆☆☆★★
おしゃれ度:☆☆☆★★
オススメ度:☆☆★★★

<あらすじ>
最愛の少女を救うことのできなかった「私」は、少女に宛てた文章を書く。
それが小説となって発表されることを契機に、「私」は最愛の少女との思い出の詰まった土地から、東京へ移る。そのしばらく後、ふとしたきっかけで行った教会で出会った少女によって、最愛の少女を失って以来凍りついていた「私」の心は再び動き出す――。「ミシン」収録・「世界の終わりという名の雑貨店」の続編。

以下、感想です
[「ツインズ~続・世界の終わりという名の雑貨店~」]の続きを読む
「春の雪」・原作版 ~私と三島作品~
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三島由紀夫/新潮社

オススメ度:☆☆☆★★(正確には3つ半)
美麗度:☆☆☆☆☆
悲恋度:☆☆☆★★(正確には、これも3つ半)

今秋映画化され、公開される「春の雪」。
この映画化は以前から気になっていたので、映画を見る前に原作を読みました。

けれども、私にとって三島作品は鬼門。今まで、トライした作品は少なくないけど、途中で挫折した作品も多いので・・・。
この度、めでたく完読できたので、感想を書きます。

この作品は、「原作版」と「映画版~HPからの公開前情報に基づく考察~」の2本立てでいく予定。
まずは、「原作版」の感想から。

<あらすじ>
時は大正時代。身分制社会の中で、松枝侯爵家の嫡子・清顕はその恩恵を受け、何不自由なく暮らしていた。そんな彼が望んだものが、「何か決定的なもの」だった。漠然としたそれを、彼は幼い頃から見知っていた伯爵家令嬢・綾倉聡子との恋に見い出していく・・・。絢爛華麗に描かれた、「禁断の恋」に燃える美男美女の悲恋。連作、「豊饒の海」の第一巻。
[「春の雪」・原作版 ~私と三島作品~]の続きを読む
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